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精神科領域の市場シェアNo.1、骨粗鬆症領域での存在感も高まる

高分子シフトが同社の課題

抗うつ薬「プロザック」で築いた基盤を現在の主力製品である「ジプレキサ」、「サインバルタ」の開発につなげ、精神化領域で世界トップを走るイーライリリー。インスリン製剤も最新製剤の投入でシェアを維持するなど、糖尿病領域でも強いのが特徴です。

イーライリリーの最大製品は統合失調症、双極性障害、大うつ病など幅広い適応症を持つ抗精神病薬「ジプレキサ」です。2011年度の売上は米国特許が終了した影響で、2010年のピーク時に比べて8%少ない46億ドルとなりました。

その一方で、抗うつ薬「サインバルタ」が前年比20%の増加で42億ドルの売上を記録し、ジプレキサの減少分をカバーする形となりました。精神・神経領域では、小児のADHD(注意欠陥・多動性障害)治療薬「トラテラ」が6億ドルを越すなど、好調を維持しています。

伝統的に同社の強みである糖尿病領域も好調で、速効・持続・中間型など幅広い選択が可能なインスリン製剤の「ヒューマリン」は15%の増加で13億ドル、超速攻型のインスリン製剤「ヒューマログ」も15%増加して24億ドルとなりました。

服薬利便性を高めたビスホスホネート製剤、副甲状腺ホルモン製剤、ミタミンD3化合物などの新薬の登場で市場が拡大している骨粗鬆症治療薬では、2010年に発売された「フォルテオ」が好調。同剤は骨形成促進作用を有する副甲状腺ホルモン(PTH)製剤であり、適応は骨折の危険性の高い骨粗鬆症となっています。

フォルテオは自己注射が可能(国内初)で通院を必要としないこと、従来の骨吸収抑制剤と異なり骨芽細胞の働きを高める作用がある点が医師と患者の双方から高い支持を得ています。2012年度の売上も前年比129%増を記録しており、今後の大型化が期待されています。また、閉経後の骨粗鬆症治療薬「エビスタ」も第一選択薬として市場でのシェアを拡大しており、骨粗鬆症領域での同社の存在感は更に高まると思われます。

第一三共と提携する抗血小板薬「エフィエント」は前年比増も期待を超えるには至っておらず、循環器系でほかの主力製品を持たないことが少なからず影響しているものと思われます。抗がん薬では「ジェムザール」が特許終了の影響で売上が61%と大幅に減少し、5億ドルを割り込みました。代謝拮抗薬の肺がん・中皮腫治療薬「アムリタ」は11%増加の25億ドルとなりました。

難航している高分子医薬品の開発が最大の課題

イーライリリーの主力であるインスリン関連製品は生物学的製剤ですが、抗体医薬・分子標的とは一線を画しており同社のラインナップでは「アービタックス」が唯一の高分子医薬品となっています。同社にとって製品の高分子シフトは今後の成長のカギを握る戦略上の重要課題となっていますが、高リウマチ薬とアルツハイマー症治療薬の抗体医薬開発がともに不調に終わっています。

抗アミロイド抗体のアルツハイマー症治療薬「ソラネズマブ」は追加の臨床試験が必要となり、目標であった2013年中の申請は困難となりました。経口JAK1-2阻害剤の抗リウマチ薬「バリシチニブ」もフェーズ3で難航しています。試験米バイオテクノロジーのイムクローンシステムズが開発した抗LgG1抗体「ラムシルマブ」が胃がん、大腸がん、乳がん、肺がんなど幅広いがんを対象にフェーズ3の段階にあります。

ベーリンガー・インゲルハイムと包括提携を行っている糖尿病領域では、2011年に承認されたDPP-4阻害薬「リナグリプチン」に続き、フェーズ3段階のSGLT-2阻害剤「エンパグリフロジン」を共同開発しています。