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大型新薬の開発には至らず、国内での売上高が全体の90%越え

ジェネリックの販売事業にも本格参入

大阪に本社を置く田辺製薬と三菱化学グループの製薬事業を担っていた三菱ウェルファーマが、2007年に合併して誕生したのが田辺三菱製薬です。

前身である三菱ウェルファーマは三菱化学グループの製薬企業や他社との段階的な合併を繰りかえしながら拡大してきました。一方、カルシウム拮抗薬「ヘルベッサー」が世界100カ国以上で発売され、一時期は「循環器の田辺」といわれた田辺製薬ですが、その後は新薬の開発に恵まれなかったため、三菱との合併に至りました。

田辺三菱製薬は上場会社ですが、三菱化学・樹脂、田辺三菱製薬の3社の株式を持つ持株会社である三菱ケミカルホールディングスが過半数を出資しているため、同グループの総合化学企業である三菱ケミカルの製薬部門に位置づけられています。

そのネームバリューと規模の割には世界的な大型新薬の開発には至っておらず、日本国内での売上高が全体の90%を越えています。今後は画期的な新薬の研究・開発に力を入れるとともに海外市場への進出が拡大のカギとなるでしょう。

2008年には田辺製薬販売株式会社を設立し、大手医薬品企業としては珍しく、日本国内でのジェネリック医薬品の販売事業にも力を入れています。

「レミケード」の売上は続伸も、従来の主力商品は減少傾向

2012年3月期の連結売上高は4,070億円で、その87%を占める国内医療用医薬品(3,550億円)は前年比2%の減少となりました。主力製品である関節リウマチ治療薬「レミケード」は、2009年7月に承認された「投与量の増量・投与間間隔の短縮」による増収効果はほぼ落ち着いたものの、乾癬、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎の効能追加、クローン病での増量が相次いで承認され、さらに市場が拡大しました。

関節リウマチに対する抗TNF治療の普及率が40%を超えているアメリカに対し、日本は依然として20%にも至っていません。日本では治療を受けているリウマチ患者50万人のうち、抗TNF薬剤の投与患者は8万人、そのうちレミケードは3万人に投与されていますが、市場拡大の余地は大きく残っています。

そのほか、関節リウマチ治療薬「シンポニー」、不整脈治療薬「メインテート」、C型慢性肝炎治療薬「テラビック」、抗うつ薬「レクサプロ」、多発性硬化症治療薬「イムセラ」などが増収となりましたが、「レミケード」に次ぐ最大製品の脳保護薬「ラジカット」は280億円前後の売上で安定を続けていましたが、2011年に特許満了で後発品が参入し売上は22%減の220億円となり、さらに2012年4月の薬価改定で18%の薬価引き下げを受けました。また、抗血小板薬「アンプラーグ」、高血圧症治療薬「タナトリル」と「ヘルベッサー」、肝疾患治療薬「ウルソ」など、長期収載品となったかつての主力製品は一段と売上が減少しました。

「テラビック」、「レクサプロ」、「イムセラ」など2011年に発売された新約は長期処方制限や全例登録などの製薬から合計売上は35億円にとどまっていますが、発売2年目以降の伸長が期待されます。アレルギー性疾患治療薬「タリオン」、糖尿病血治療薬「テネリア」も発売され、主力製品の世代交代が期待されています。

海外では、ノバルティスファーマに導出(ライセンスアウト)した多発性硬化症治療薬「ジレニア(国内製品名:イムセラ)」の初年度売上が約5億ドルになり、田辺三菱製薬の技術導出契約金の増加額のほとんどはジレニア関連となっています。SGLT-2阻害剤の糖尿簿湯治療薬「カナグリフロジン」は導出先のジョンソン・アンド・ジョンソンが2012年5月に米国で承認申請を行っています。海外からの技術料収入は今後一段と拡大すると予想されます。