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国内で海外売上高比率が最も高い製薬企業

ヒューマン・へルスケアのCMでおなじみ

エーザイは同族企業ながら、企業統治の透明化には非常に積極的で、2004年からは経営を監督する取締役会の過半数を社外取締役にしなければならない委員会等設置会社に移行しています。

海外進出にも積極的な同社は80年代にアメリカとヨーロッパへ進出を果たしており、現在、最も海外売上高比率の高い(50%)製薬会社となっています。

この海外売上高を支える医薬品が、アルツハイマー型痴呆治療薬「アリセプト」と胃酸分泌を抑制して消化性潰瘍を治療する「パリエット」です。

2003年には動物薬事業を明治製菓に売却したのをはじめ、食品・化学事業部や機械事業部を分社化しており、現在は医薬品事業にほぼ特化して事業活動を展開しています。

海外でもその評価が高いエーザイですが、自社開発品の継続が難しいこともあり、2007年にはがん治療の抗体医薬を研究するモルフォテック社を買収しました。またその翌年には、当期純利益を赤字にしながらも、がん領域に強いアメリカのバイオ企業であるMGIファーマを買収してその研究成果を獲得しています。

アリセプトは2011年の国内医薬品の売上で第1位、パリエットは11位となっていますが、そのほかのエーザイの製品で国内医薬品別売上のトップ100にランクインしたのは、末梢神経障害治療薬「メチコバール」が46位、関節リウマチ治療薬「ヒュミラ」の78位のみとなっており、新薬開発が課題となっています。そのためエーザイでは、新薬開発に重要な役割を果たした研究者に対して、売上高5年度分の累計売上高の0.05%を配分する特別インセンティブ制度を設け、新薬の開発促進を図っています。

特許終了で「アリセプト」の売上が大幅減少も、次期主力品が好調

2012年3月期の連結売上高は前年比12%減の6,480億円となりました。同社の最大製品である「アリセプト」は2010年10月に特許終了となった影響が大きく、世界売上は1,400億円と半減しました。特に米国では売上が大場減少が続いているため、同社の売上に占める米国市場の比率が39%から24%に低下しました。一方、国内におけるアリセプトの売上は、「高度のアルツハイマー型認知症」と高用量10mg、新剤形の内服ゼリー、ドライシロップ製剤の追加承認といったライフサイクル・マネジメントが功を奏して、3%増加の1,080億円となりました。

プロトンポンプ阻害剤(PPI)の抗潰瘍薬「パリエット」は後発品参入の影響を受けることなく堅調に推移しており、1%増加の620億円を記録しました。2010年6月に承認された「逆流性食堂塩に対する1日2回投与の用法・容量追加」の貢献が大きいとみられます。同市場は最大製品である武田薬品の「タケプロン」をはじめ、2011年に第一三共が同系統のPPI「ネキシウム」の販売を開始しており、競争が激化しています。

主力製品のアリセプトとパリエットの成長は限界に達していますが、アボットとのコ・プロモーション製品である抗TNF抗体の関節リウマチ治療薬「ヒュミラ」が54%蔵して200億円を超えました。また、ファイザーとのコ・プロモーション製品である神経因性疼痛治療薬「リリカ」も好調です。

エーザイは女性のがん疾患「ウーマン・オンコロジー」に代表されるアンメット・メディカル・ニーズへの新薬開発を成長戦略としていますが、自社開発の乳がん治療薬「ハラヴェン」は実質初年度の2011年から160億円に達し、がん関連製品の合計は960億円と16%増加しました。がん関連製品はほかにも制吐薬「アロキシ」、DNAメチル化阻害剤の骨髄異形成治療薬「ダコジェン」がともに増加基調を維持しています。

新薬開発の動向

高血圧、コレステロール、糖尿病など循環器をはじめとする生活習慣病の治療薬が少ない点は同社の主力製品の特徴であり、開発中の新薬も同様の傾向が見られます。

グローバル市場では、米アリーナ社と提携する抗肥満治療薬「ベルビック」がFDA承認を取得、米欧20カ国で販売を計画しています。世界初のAMPA受容体拮抗剤「ペランパネル」が「12歳以上のてんかん患者の部分発作に対する併用療法」を適応症として欧州と米国で承認されました。

てんかんは精神・神経領域を代表するアンメット・メディカル・ニーズであり、ノバルティスファーマから「ルフィナマイド」を、大日本住友製薬から「ゾネグラン」を導入して欧米で抗てんかん薬の開発、販売を強化しています。

オンコロジー領域では、「ハラヴェン」の局所進行性・転移生乳がんにおける「カペシタビン」を比較対象とした臨床試験がフェーズ3の段階にあり、欧米でより早期の治療法としての承認取得を目指しています。

国内市場では痙性斜頚治療薬「ナーブロック」、不眠症治療薬「ルネスタ」、関節リウマチ治療薬「ケアラム」が承認されました。