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国内で2016年販売予定の統合失調症薬「ラツーダ」に期待

カルシウム拮抗薬で有名

大阪の医薬品企業である大日本製薬と、総合化学企業である住友化学から独立した住友製薬が合併して誕生したのが大日本住友製薬です。

合併を機に、それぞれの前身企業が手掛けていた一般用医薬品事業からは撤退しており、現在、同社は医療用医薬品事業と動物薬や食品添加物などを扱うその他の事業の2つの事業を展開しています。

大日本住友製薬は上場会社ですが、住友グループの総合化学企業である住友化学株式会社が過半数を出資しています。住友化学は基礎・情報電子・石油・農業・精密の5つの化学部門と医薬品部門から成り立っており、その医薬品部門を別会社である大日本住友製薬が運営する形になっています。

他の医薬品専業メーカーは、医薬品事業に特化した戦略をとり、その比率が90%を超えているのに対し、同社の事業比率の20%は農薬や食品添加物などの「その他の事業」となっており、医薬品事業への特化が進んでいません。

大日本住友製薬の業績を支えているのが、1993年に住友製薬がファイザー社からライセンスインとして発売したカルシウム拮抗薬「アムロジン」です。法律上は、大日本製薬が存続会社となっているため、住友製薬が保有する販売権を新会社に引き継げるかどうかが裁判になりました。それほどアムロジンへの依存が大きかったのです。

循環器・糖尿病領域に強みを持つ同社ですが、近年は「アムロジン」をはじめとする主力製品の特許切れが相次いでいるため、精神神経領域、オンコロジー領域でのシェア拡大に向けて新薬の研究開発を進めています。

国際戦略品として大型化が期待されているのが、統合失調症薬「ラツーダ」です。従来の統合失調症薬よりも副作用が少なく、服用しやすい(1日1回投与で、漸増投与が不要)などの特徴がある同剤は、2011年からアメリカで販売開始し、日本国内でも2016の販売を予定しています。

同社では2015年までに全社売上の17%を同剤で占め、さらに2018年までにブロックバスター入りを果たすことを目標としており、その達成に向け米サノビオン社の買収、同剤専門のMR部門を新設するなどの戦略を展開しています。

国内医薬品事業の主力製品は長期収載品が多く苦戦

2012年3月期の連結売上高は、前年比8%減の3,500億円となりました。国内では戦略3品目が好調で、高血圧症治療薬「アバプロ」が前年比29%増の107億円、統合失調症治療薬「ロナセン」が10%増の98億円、末梢循環改善薬「プロレナール」が4%増の155億円となりました。

新製品は、血糖降下剤「メトグリコ」が既存製品「メルビン」との合計で前年比83%増の85億円、パーキンソン病治療薬「トレリーフ」が44%増の53億円となっています。

一方、主力製品だったカルシウム拮抗薬(CCB)の高血圧治療薬「アムロジン」は特許終了の影響とARB-CCB合剤の市場参入による減収に歯止めがかからず、前年比13%減の360億円、カルバペネム系抗生物質「メロペン」、抗アレルギー薬「エバステル」など、長期収載品となったかつての主力製品は大きく減少しています。消化管運動機能改善薬「ガスモチン」も2012年12月に後発品が参入したため、国内では苦戦が予想されます。

北米セグメントでは、米国子会社サノビオンが新発売の非定型抗精神病薬「ラツーダ」が初年度に69億円売り上げたものの、既存の主力製品が後発品の影響を受けて苦戦が続いています。特許が終了した短時間作用型β作動薬の喘息治療薬「ゾペネックス」は前年比13%減少の50億円、催眠鎮静薬「ルネスタ」は特許が2014年まで有効ですがサノフィの競合品「アンビエン(日本名:マイスリー)」の後発品が影響して前年比22%減の421億円と大幅な売上減となりました。

新薬の開発動向

国内では「アムロジン」と「イルベサルタン」の合剤の高血圧治療薬「アイミクス」が承認され、統合失調症治療薬「ルラシドン」と糖尿病合併症治療薬「ラニレスタット」の2品目がフェーズ3の段階にあります。

米国子会社サノビオンは抗てんかん薬「ステデサ」のFDA再申請を2012年8月に提出し、同月には「ラツーダ」の双極I型障害うつの効能拡大も申請しました。効能追加試験は「ステデサ」の単独療法と、「ラツーダ」の双極性障害メンテナンスおよび大うつがフェーズ3に進んでいます(追記:2013年に承認取得)。

2012年に買収したボストン・バイオメディカルでは結腸直腸がん治療薬「BBI608」がフェーズ3準備段階にあります。欧州では「ルラシドン」のEMA承認申請を導出先の武田薬品が2012年10月に提出しています。

そのほか、iPS細胞の研究を京都大学と協力して行っており、がん幹細胞に高い効果を示す新薬の開発に注力しています。