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抗Xa剤「イグザレルト」の適応拡大で世界トップ50の製品を目指す

本社はドイツ

医療用医薬品の売上で世界16位のバイエルは、シェーリングAGの買収(2006年)により現在の最大製品であるインターフェロン製剤「ベタフェロン」や女性ホルモン製剤「ヤスミン」を獲得しました。

その他では分子標的薬「ネクサバール」、血友病治療薬「コージネイト」などが医療用医薬品部門の売上を支えています。降圧薬「アダラート」、抗菌薬「シプロ」「アベロックス」などの一時代を築いた製品もありますが、現在のラインナップに世界トップ50に入る20億ドル製品は一つもありません。

ただし、大型化が期待できる新薬が近年相次いで承認されています。加齢黄斑変性症治療薬「アイリーア」は2011年にFDA(アメリカ食品医薬品局)が承認し、2012年には日本、ヨーロッパでも承認されました。同市場で先行する競合品の「ルセンティス」ロシュがアメリカで15億ドル、その他の国ではノバルティスファーマが21億ドルを売り上げており、2011年のグローバル市場で売上24位となっています。

さらに2012年にはマルチキナーゼ阻害剤「レゴラフェニブ」が転移性大腸がんを適応症としてFDA承認を取得しました。そして20億ドル製品に最も近いと期待されているのが抗血液凝固薬「イグザレルト」です。同剤は世界初のファクターXa阻害剤として2008年に承認されましたが、当初の適応症「整形外科手術後のVTE(静脈血栓塞栓症)発生抑制」の市場規模は小さいものでした。

その後2011年に、ワルファリンが半世紀にわたって大市場を形成してきた「SPAF(心房細動患者の脳卒中予防)」の効能を追加しました。ブリストル・マイヤーズファイザーの共同開発によるXa阻害剤「エリキュース」も同効能で承認され、先行するベーリンガー・インゲルハイムの直接トロンビン阻害剤「プラザキサ」も含めて抗血液凝固薬の市場におけるシェア争いが激化しています。

「イグザレルト」はより軽症のACS(急性冠症候群)の効能追加も目指していますが、2012年のFDAの初回申請でCRL(非承認通知)となり、2013年にも2回目のCRLとなりました。SPAFでは20mg錠1日1回の用法容量、ACSでは2.5mg錠1日2回として申請しています。

競争の激しい経口凝固薬市場

バイエルは2012年4月に日本人向けに低用量で開発した新規経口凝固薬の抗Xa剤「イグザレルト」の国内での販売を開始しました。同剤はワルファリンに代わる抗凝固薬として大型化が期待されている製品で、競合品としては日本ベーリンガーの直接トロンビン阻害剤「プラザキサ」があります。

しかし、プラザキサは禁忌患者に投与されるなどして死亡例が報告され、ブルーレター(安全性速報)が出されたことから、新規抗凝固薬における安全性をいかに確保するかが重要となりました。

イグザレルトでは、市販後調査に加えて、1万人を症例目標とした特定使用成績調査が行われています。またバイエルでは、外部医師らで構成される「適正使用委員会」社内に設置して添付文書の内容の周知徹底に努めています。

イグザレルトに続く抗Xa剤としては、ブリストル・マイヤーズとファイザーが共同開発した「エリキュース」も同年12月に承認されています。同剤は脳卒中発症の抑制と大出血発現率及び死亡率の低下では、ワルファリンに対する優越性が証明されており、今後、新規経口抗凝固薬の競合が激しくなることが予想されます。