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医療用医薬品売上高で世界No.1を誇るファイザー

主力製品はリピトールやノルバスク

ペニシリンの量産での成功を足がかりに、医薬品事業を本格的に開始し、1950年代には海外進出を始め、事業の多国籍化を進めていったファイザー

その後は、医療用医薬品、一般用医薬品、動物薬を取り扱うメーカーとして発展。医療用医薬品部門ではアメリカ国内に加え、イギリスにも研究・開発拠点を築くなど、多国籍化を推進してきました。

さらに、のちに世界売上第1位の高脂血症治療薬となる「リピトール」、髭剃り「シック」ブランド、マウスウォッシュ「リステリン」を保有していたワーナー・ランバートをはじめ、ファルマシア、ワイス社などの大型買収を繰り返し成長してきました。優れた医薬品を持つ会社を買収して収益につなげる同社の手法は「ファイザーモデル」とも呼ばれています。

一方、日本での本格的な事業活動は、1950年代にファイザーと台糖社の合弁企業である台糖ファイザーの設立と、抗生物質テラマイシンの製造・販売から始まりました。1989年には現在のファイザー製薬が誕生しています。

現在、世界市場および日本市場ともに、医療用医薬品事業に特化した戦略を採用しており、事業全体の90%を占めるに至っています。一般用医薬品事業を担っていたコンシューマーへルスケア部門は、ジョンソン・エンド・ジョンゾンに、乳幼児栄養事業をネスレにそれぞれ売却されました。

5兆円近い医薬品売上は2位のノバルティスファーマと1兆円以上の差をつけて世界1です。ファイザーの主力製品として世界市場を席巻した高脂血症治療薬「リピトール」、高血圧症治療薬「ノルバスク」は特許満了に伴い、いわゆる「パテント・クリフ」に直面していますが、2009年に世界9位のワイスを買収するなど、従来の「患者数の多い低分子医薬品」から、希少疾患やがんのように細分化された「患者数の少ない高分子医薬品」に研究開発の焦点を移しており、営業体制の変革も本格化してきました。

「パテント・クリフ」に苦しむ主力製品の世代交代が順調

2011年12月期の連結売上高は前年比0.5%増の674億ドルで、連結構成比で86%を占めている医療用医薬品は前年比1%減の577億ドルとなりました。同社の最大製品である「リピトール」は米国、欧州での特許終了により大きく減少しました。

同じく2011年に米国で特許切れを迎えた緑内障治療薬「キサラタン」も後発品、プロスタグランジン誘導体製剤の競合品発売などにより競争が激化した影響で、米国で72%減少し、世界売上は29%減少して12億ドルとなっています。緑内障治療薬はラタノプロストとβ遮断薬のチモロールマレイン酸塩の配合剤「ザラカム」を発売しており、同市場のシェア奪回を狙います。

高血圧治療薬「ノルバスク」も2008年の特許切れ、薬価引き下げなどにより減収傾向が続いています。2010年に口腔内崩壊錠などの剤形追加をしたものの、売上の減少を食い止めるには至っていません。

今後のファイザーの主力製品として期待されているのが、前年比21%増加して37億ドルとなった神経因性疼痛治療薬「リリカ」、抗リウマチ薬「エンブレル」、抗がん薬「スーテント」などです。「スーテント」は競合するバイエルの「ネクサバール」とともに2008年に承認され、売り上げはネクサバールに大きく引き離されているものの、潜在能力は高いと思われます。

そのほか国内では非ニコチンの経口禁煙補助薬「チャンピックス」が、2010年10月のたばこ税増税の影響もあり、一時欠品状態となっていましたが、それも解消して更なる成長が期待されています。

新薬の開発動向

抗リウマチ薬「ゼルヤンツ」、慢性骨髄性白血病治療薬「ボスリフ」、肺がん治療薬「ザーコリ」など、1年余りで4品目の分子標的薬が承認されており、同社の高分子シフトが確実に進んでいることを印象付けました。

「ゼルヤンツ」はファイザーが自社開発した世界初のJAK3阻害剤で1日2回の経口投与で抗体医薬「ヒュミラ」と同等の臨床成績を示しました。「メトトレキサート(MTX)が効果不十分または継続困難となった成人の関節リウマチ」といの併用も可能となっています。

さらにブリストル・マイヤーズと共同開発してきたファクターXa阻害剤「エリキュース」が日米欧で2012年に承認されました。同剤は「心房細動に伴う脳卒中及び全身性塞栓症の予防」の大市場で先行するベーリンガーインゲルハイムの「プラザキサ」やバイエルの「イグザレルト」と激しいシェア争いが起きるものと予測されます。