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スイッチOTC薬の展開にも積極的な一般用医薬品企業の最大手

テレビCMでお馴染みのブランドが勢揃い

大正製薬は医薬部外品のドリンク剤を含めた販売規模が1,400億円を越える一般用医薬品の最大手企業であり、「リポビタンD」「リアップ」などの巨大ブランドを擁しています。

また、大正製薬は高脂血症治療薬「エパデールT」、鎮痛胃腸薬「ストパン」、総合感冒薬「パブロンエースAX」などのスイッチOTCを積極的に展開していることでも知られており、一般用医薬品市場を開拓する牽引役としても重要な役割を果たしています。

2013年4月に発売した「エパデールT」は、持田製薬の高脂血症・閉塞性動脈硬化症治療剤「エバテール」を一般用医薬品に転用したもので、生活習慣病を対象としたスイッチOTC薬としては日本初となります。

近年は主力ドリンク剤が低調な推移となっていることから、事業全体としても伸び悩みを見せているものの、育毛剤「リアップX5」の好調な推移により育毛剤市場を拡大に導くなど、その存在感は大きなものがあります。

薬効領域別の動きをみてみると、主力領域であるドリンク剤は「リポビタンD」の減少傾向が目立つものの、女性もターゲットとして積極的な広告宣伝活動を展開している「リポビタンファイン」は増加推移が続いています。また、ミニドリンク剤の「ゼナ」は高額品を中心に苦戦が続いていますが、女性向けの「アルファ」は需要の高まりもあり続伸しています。

感冒関連は「パブロン」ブランドでの展開を図っており、「パプロンS」、「パブロンゴールドA」、「パプロンエースAX」を主力として市場で高いシェアを確保しています。「リアップ」シリーズを展開する育毛剤では競合他社の追随を許さないシェアを獲得しており、有効成分であるミノキシジルの配合量を従来品の5倍にした「リアップX5」を牽引役として売上を一気に躍進させました。

一般用医薬品以外では健康食品の「リビタ」シリーズに対する注力度を高めており、トータルへルスケア企業としての位置付けを強めています。

抗菌薬「ソジン」が「クラリス」を抜き、医薬事業の主力製品に

同社の2013年の売上高2,496億を事業比率で見てみると、セルフメディケーション事業(OTC薬など)が60.1%、医薬事業(医療用医薬品)が31.9%となっています。近年は、2008年に発売した抗菌薬「ソジン」が大幅に伸長しており、これまで抗菌薬の主力製品だった「クラリス」を売上高で抜き、感染症領域のリーディングカンパニーとしての位置を確保しています。また、「精神疾患」「代謝性疾患」「アレルギー性疾患」を重点領域として新薬の開発に注力しています。

一方、OTC薬については、主力製品の「パブロン」「リアップ」に続いて、禁煙補助剤「シガノン」、口唇ヘルペス治療薬「ヘルペシア軟膏」など、第一類薬品に該当する新製品を続々投入しています。また、OTC医薬品事業は海外進出も視野に入れており、2009年には米BMS(ブリストル・マイヤーズ スクイブ)社からアジア地域で保有する解熱鎮痛剤「テンプラ」や外用消炎鎮痛剤「カウンターペイン」などを取得しました。

さらに、BMS社の生産拠点でるインドネシアの子会社を買収、アジアOTC医薬品事業を統括する子会社をシンガポールに設立しており、新たな市場開拓への体制が整いました。

主力ブランドと近年の主な新製品

薬効領域 ブランド名
ドリンク剤 リポビタンD
ミニドリンク剤 ゼナ、アルフェ
総合感冒薬 パブロン
育毛剤 リアップ
解熱鎮痛剤 ナロン
総合胃腸薬 大正漢方胃腸薬
発売日 商品名
2011年1月 ダマリングランデアイススプレー(水虫薬)
2011年6月 アルフェ エフイーアップ(ミニドリンク剤)
2011年11月 リアップジェンヌ(育毛剤)
2012年12月 リアップジェット(育毛剤)
2012年11月 パブロン点鼻クイック(鼻炎治療薬)

一般用医薬品の市場動向

大衆薬(OTC)とも呼ばれる一般用医薬品の市場は、国民の健康志向の高まり、セルフメディケーションの啓蒙活動、生産・流通の規制緩和などの影響で、拡大すると見られていましたが、生産額の推移では若干下降(2010年で6,131億円)しています。

1999年に、一部栄養型ドリンク剤を含むドリンク剤など、2004年に安全上とくに問題のない一般用医薬品が医薬部外品へ移行し、さらに慢性的長期的な症状改善のための薬剤が、サプリメント、特定保健用食品、医薬部外品などに置き換わるなどにより、これらの製品市場がやや増大したものの、2009年の薬事法改正により第一類医薬品の売上が減少するなど市場は規制の影響を受けています。

一般用医薬品の薬効文類別市場の大きいビタミン剤と滋養強壮薬を合わせた、いわゆる滋養強壮保健薬(ビタミン製剤、タンパクアミノ酸製剤などドリンク・ミニドリンク剤ほか)は健康食品の規制緩和、サプリメントへの以降、医薬部外品化などで縮小傾向にあります。

次いで中枢神経用薬(解熱鎮痛消炎剤、総合感冒剤など)と呼吸器官用薬(鎮咳剤、去痰剤など)を合わせたかぜ関連薬は、症状別の医薬品の開発が進められ、今後、伸びることが予測されます。伸びが期待された消化器用薬の胃腸薬、H2ブロッカーはスイッチOTC薬に対する規制の厳しさから伸び悩んでいます。感覚器官用薬の鼻炎治療剤は花粉症、アレルギー性鼻炎を中心に伸長しました。

一般用医薬品は身体部位に対する諸症状の緩和を薬効範囲としてきましたが、効能・効果の明確な薬剤、即効性のある薬剤が求められており、今後はスイッチOTC薬、ダイレクトOTC薬の開発が進むと考えられ市場の変化が期待されています。