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スイッチOTCの展開に注力し、解熱鎮痛剤「ロキソニンS」が大ヒット

一般用医薬品

第一三共グループのヘルスケア部門を担う第一三共へルスケアは、一般用医薬品を中心にスキンケア分野への注力度も高めており、トータルへルスケアの実現に向けた取り組みを行っています。

同社は三共・第一製薬・藤沢薬品工業・山之内製薬のへルスケア部門が合併する形で設立されたこともあり、幅広いラインナップを誇っており、近年はスイッチOTCの展開にも力を注いでいます。

2009年の改正薬事法施行以来、制酸薬の「ガスター10」や、肝斑の改善を効果効能とした「トランシーノ」といった第1類医薬品が、取り扱い店舗数の減少と薬剤師の不在による販売機会ロスにより売上減少を余儀なくされていたことから、減少傾向での推移が続いてきましたが、2011年1月に投入したスイッチOTCの解熱鎮痛剤「ロキソニンS」が大ヒット製品となり、再活性化の機運が高まっています。

主力製品の販売動向を見てみると、感冒関連用薬の「ルル」は「新ルルAゴールド」や「新ルル A錠」を主力製品とした展開を図っており、2011年は新製品の「新ルルAゴールドEX」が好調な売上を記録しています。感冒薬領域では、制酸薬の「ガスター10」が第1類医薬品のため苦戦を強いられているものの、2010年に名称変更した「第一三共胃腸薬」は堅調に推移しています。

また、「第一三共胃腸薬」のシリーズとして「コアブロック」を2011年に発売しており、胃腸薬領域の強化に向けた取り組みも進めています。概要消炎鎮痛剤はフェルビナク製剤の「パテックス」ブランドによる展開を図っており、2011年は新製品投入効果によりブランド全体で販売規模を増加させています。

解熱鎮痛剤「ロキソニンS」については、医療現場で現役薬として高いシェアを誇る製品のスイッチ化ということもあり、その話題性は非常に高く、解熱鎮痛剤の市場を活性化させるだけでなく、逆境下にある第1類医薬品に光明を与えるものとして今後の更なる成長が期待されています。

主力ブランドと近年の主な新製品

薬効領域 ブランド名
総合感冒薬 ルル、カコナール
胃腸薬 第一三共胃腸薬、ガスター10
外用消炎鎮痛剤 パテックス
外用殺菌消毒剤 マキロン
ドリンク剤 リゲイン
解熱鎮痛剤 ロキソニンS
発売日 商品名
2011年10月 第一三共胃腸薬コアブロック(制酸薬)
2012年2月 ピロエースZ(水虫薬)
2012年3月 トラフルダイレクト(口内炎治療薬)
リゲイン(ミニドリンク剤)、リゲインX(ドリンク剤)
2012年8月 ルルのどスプレー、ルルメディカルドロップ(鎮咳去痰剤)
2012年9月 カコナール滋養内服薬(ミニドリンク剤)

生活習慣病領域のスイッチOTCをめぐる議論

日本医師会は推進に慎重な立場

「ロキソニンS」の売上が好調なことから、スイッチOTC薬市場全体の拡大が期待されていますが、最もニーズが高いとされる生活習慣病薬のスイッチ化については医師の懸念が強いため、思うように進展していませんでした。

そんななか、イコサペント酸エチルを有効成分とする持田製薬の高脂血症治療薬「エパデール」のスイッチOTC化が2012年10月の薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会で了されました。

「エパデール」は生活習慣病領域での初のスイッチOTCとして、早くから市場関係者の期待をされてきましたが、同部会の医師委員の根強い反対を受け2年間継続審議になっていました。

しかし、厚生労働省がこれまでの部会での意見を踏まえ、合併症などのリスクがある人を購入対象者から外すための取り組みを提案した結果、賛成多数で了承されました。これを受け、厚生労働省は2012年12月に「エパデール」のスイッチOTC薬第2製品を承認し、2013年4月に大正製薬から「エパデールT」として発売されました。

これまでの一般用医薬品部会では、中性脂肪値の高い人は合併症が隠れている可能性があることから、「エパデール」のスイッチOTCを購入する使用者が合併症を持っていないかを調べるシートを作成するなどの対応を行なうことで、リスクのある人が服用しないようにするための取り組みを厚生労働省が指示するこでスイッチ化の理解を求めてきました。それでも医師の関与なしに使用することに対して、複数の医師が懸念を示したため、過去2回の審議では了承が見送られました。

2012年10月の部会では、医師の指摘を考慮に入れ、厚生労働省が添付文書やチェックシートの改訂によって、合併症を持つ人が服用するリスクを回避できることを説明。添付文書の効能・効果の欄には狭心症や脳卒中、糖尿病、高血圧などの合併症がある人は服用できないことを明記するほか、服用3ヵ月後には血液検査を受けることを勧めることを明記することも示しました。さらに薬剤師に対しては販売前の事前研修を行うことも示した結果、3回目の審議賛において賛成多数で了承されました。

しかし、「エパデール」のスイッチ化は了承されたものの、生活習慣病薬のOTC化について見直しが必要との日本医師会の意見を受けて、厚生労働省は検討の場を設置することを決定しました。詳細は未定ですが、検討会の議論の方向性によっては、生活習慣病薬のスイッチOTC化を軸としたセルフメディケーションの推進に影響を与える可能性もあります。